タイ・ラオス・ベトナム!東西経済回廊をゆく3カ国陸路横断の旅⑦ 〜ベトナムの躍進〜
創業者は若い頃にウクライナへ留学していたそうな。そこそこの良い家柄なのだろう。卒業後はウクライナでインスタントラーメンの会社を立ち上げて大儲け。ベトナムに戻った後、不動産ビジネスでこれまた大成功を収め、今に至る――だそう。Wikiで調べても大体そんな感じだ。ベトナム人にとっては、誰もが知るサクセスストーリーなのかもしれない。
そのビングループが自動車業界に参入している。 「ビンファスト」なる自国ブランドだ。 2017年の設立当初、BMWからデザイナーを引き抜いたニュースを見て、「パクリやん」と揶揄されていたのを記憶している。
だが、現在の彼らはEV(電気自動車)に全振りだ。 さっきの酒屋の店主によると、EVの自動車やバイクを購入した人は、3ヶ月間チャージ(電気代)がタダだったらしい。「そら、売れるよ」と店主は笑っていた。
自国ブランドを育てようという気概
圧倒的なシェア拡大の戦略
それを後押しする政府の意思決定
そもそもの話、自国ブランドというのは自国ではそれなりに浸透するものだ。マレーシアの「プロトン」しかり、2021年に消滅したというオーストラリアの「ホールデン」しかり。
じゃあ、タイはどうするのだろう?
タイには「自国ブランドを育てようという気概」は、きっとない。 だって、いまやBYDをはじめとした中国メーカーの工場誘致に必死だもん。「ワーカーとしてタイ人を雇ってください」「下請けとしてタイの企業を使ってください」ということなのだろう。
それに、政権がコロコロと代わるタイでは、「政府の意思決定」もその場しのぎ的になりがちだ。
英国の経済ビジネスリサーチセンター(CEBR)などの最新予測によると、2028年までにベトナムが名目GDPでタイを上回るとされている。いや、もっと早いという見方もある。
タイはどうなるのだろう?
――でも、ふと思う。 もともと、先頭に立ちたくない人たちだ。 ギラギラしたベトナムが前を走ってくれた方が、彼らにとっては案外、居心地が良いのかもしれない。
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